4月10日、2022年第1回目のしろうと先生企画「小林さんちでお花見」が開催された。
小林さんのご自宅には樹齢100年になる枝垂れ桜がある。桜は満開で風による花吹雪や花びらのじゅうたんでお花見には最適の場所となった。会場には子供からシニアまで幅広い世代の人が集まってくれた。また、桜の木の下でプチコンサートも開催された。いがっぺボーイズをはじめ、藤良太さん、松浦孝徳さんなど小林さんが福祉の現場で出会った同じ志を持つ仲間が集まりイベントを盛り上げた。
今回はこの枝垂れ桜と共に生活をしてきた小林さんのご両親の小林利信さんと小林幸代さんのお二人にインタビューを行った。
―普段はどのような整備をなさっているのですか?―
「桜を見に来てくれた人が不快な思いをしないように整備をしています」とおっしゃっていて、見た人に「きれいだな」「いい風景だな」と言ってくれることに喜びを感じていた。
「たくさんの人に見てもらえて桜も満足してるんじゃないかな、そう言っている気がするね」と桜の気持ちを代弁してくれた。
「この桜は外からずいぶん目につくから通った人が来てくれるんだよね、桜が好きな人が来てくれて、写真を撮っていってくれるんだよね」と桜の木によって生まれる交流をとても楽しんでいる。この桜の木は人を引き寄せる特別な力があるのかもしれない。
―お二人の桜の木の思い出を教えてください-
毎年消毒等整備をしてから花が生き返ったように反応を見せてくれたという。「こっちが愛を与えた分、花も愛を返してくれるんだね」と笑顔でおっしゃっていた。桜の木がある場所は周りの木によって強い風の影響が少ない。そのためこれまで台風の被害を受けたことがないという。また、3.11の時にも家の瓦などが落ちるなど被害があったものの桜の木には特に被害はなかったという。桜にとってはとてもよい場所なのかもしれない。
―お二人の桜の木への思いを教えてください―
最初は特に思うことはなかったそうだが、「いい木だね」と言われてから桜の木に対する思いが変わったという。「桜の木を見ると心が和むし家族を見守ってくれる、あくまで私たちの解釈だけどね」「桜の木を見て、音楽を聴けたことにとても感謝だね。今日の一コマは本当に平和だね。その平和がどれだけ尊いかを感じたよね」と桜の木と今日のお花見会に対して感謝を述べていた。
今回のインタビューを通して小林さんの暖かさを感じた。小林さんだからこそこれほどまでに立派な桜の木を育てることができたのだなと納得した。これまで花見の経験はなかったため、最初の花見を小林さんの桜の木でできるのはとても幸せだ。ゆっくりと時間が流れていくのを感じた。毎日がせわしく気を張りがちな世の中。ぜひ、来年は小林さんの桜の木を見て張った心をほぐしてみませんか。
文章:早津 順生