ちいきの学校が運営する「ありが分校」の開校式が6月25日、水戸市有賀町で開かれました。ちいきの学校関係者や地域の住民たちなど60名を超える人々が集まり、新たな一歩を祝いました。
ありが分校は、多世代・異文化交流ができ、誰もが参加できる学び合いの場として開校されます。オーガニックカフェ「namakemono」の跡地を利用して、メンバーが力を合わせて新しい空間にリニューアルさせました。
開校式では、理事の伊藤さんが「シニアが育てた野菜を委託販売したり、みんなで体操したり、シニアがちいきで活躍するサポートをする場所にしたい」とあいさつしました。
式のあとは、いがっぺボーイズの小林さんと伊藤さんが演奏を披露して会場を盛り上げました。観客の皆さん、からだで拍子を取ってノリノリです♪
観客のひとりが「お上手ですね」と言うと、専門学校で教えている小林さんは「副業で先生やってます」と答えて、会場の笑いを誘いました。
続いては、歌い手の齋藤有意さんによる演奏です。美しい歌声とアコースティックギターの音色がやわらかな風とともに会場を包み込み、観客たちの心を鷲づかみにしました。
心癒されるようなやさしい音楽が、会場をあたたかな色に彩りました。ありが分校の開校を祝福してくれているようです。
齋藤さんは、「『暑いなか聴いてくれてありがとう』という気持ち。喜んでくれて嬉しい」と話しました。
午後になると、瓢箪ランプづくりワークショップが開かれました。参加者の皆さんは思い思いに穴を開けて模様を描きました。
穴の開け方を教え合ったり、「壁に吊したらきれいですね」と話し合ったり、互いに学び合う様子はまさに学校そのものです。
ワークショップを担当した生江さんは、「ものづくりをしながら何気ない会話もできて、いい時間を過ごせた」と嬉しそうでした。
この日には、「namakemono」の元店主・セドちゃんが焙煎したコーヒー豆を、チキさんが心を込めて淹れてくれました。来てくれたお客さんからはとても大人気で、豆を挽く音が絶えず聞こえていました。
また、社会福祉法人の方が作ったとまとジャムといちごジャムを委託販売しました。これも大人気の甘い商品で、お客さんは喜んで買っていました。「ヨーグルトと一緒に食べてもおいしいです」と生江さん。
さらに、ちいきの学校ゆかりの中浜さんと山本さんお手製のアヒージョも提供されました。分校の出入り口付近で作り、ジュージューいう音と美味しそうな匂いでたくさんのお客さんを引き寄せていました。もちろん、味は絶品です。
その他、夏野菜サラダも振る舞われました。ドレッシングは手作りです。セドちゃんが考えたレシピブックをもとに、ボランティアの学生が作りました。マスタードのピリッと辛みの効いた味がとてもおいしかったです。
30℃を超える暑い天気だったので、しそジュースが人気でした。ちいきの学校と関わりのある方からの差し入れです。スッキリと爽やかな味で、飲むと暑さを忘れることができました。お客さんたちは「おいしい!」と目を丸くし、大好評でした。
みんなのアイディアで、開校式は、終始和気あいあいとしたとした雰囲気で行われました。
参加者の1人は、「いろいろなブースがあっておもしろい。ちいきの学校はシニア世代を元気にすることを目指しているということで、誰かのために活動していることは素晴らしいと思う」と笑顔を見せました。
分校に足を運んだ2人の住民の方は、ありが分校の今後に期待を寄せました。
「地域に立ち寄れる場所が欲しい。500円のコーヒー1杯で過ごせる場所があるのはいい」
「みんなのアイディアが集まっている場所だ。みんなのやり方でつくられている」とにこやかでした。
namakemonoのレシピ本「セドちゃんのDAIDOKORO」を企画編集した、ちいきの学校デザイン室の小堀さんは、開校後スタッフ数名とこの場所を切り盛りしていく予定です。
「地域の生の声に耳を傾け、必要とされる場に成長させていきたい」と語っていました。
取材を通して、ありが分校の魅力はみんなのアイディアが寄り集まってできているからこそなのだと感じました。
看板からイベントに至るまで、ありが分校にはちいきの学校の皆さんや地域の方々による発想がたくさん詰まっています。
これからも分校に人々が集まるたびにアイディアが生まれ、コミュニティスペースがつくられていくことを思うと、ちいきの力を実感します。
ありが分校の開校日は、ちいきの学校 Instagramでお知らせしています。
新しい出会いが欲しいなと思うとき、ホッとひと息つきたいなと思うとき、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
ありが分校プロフィール
住所:茨城県水戸市有賀町1021-1
運営:NPO法人ちいきの学校
利用(予定):アトリエ、ヨガ、カフェ、野菜販売所など
文章:五来汐里