山田さん、吉沢さん(水戸市)
長年住んでいる大足地区には皆でお話する場所も機会もなく、寂しいと感じていたと語る山田さん。
内原高齢者支援センターの職員(当時)の上野さんからの熱いラブコールもあり、2016年に介護予防サロン『大足たんぽぽクラブ』をシルバーリハビリ体操の後輩でもある吉沢さん(他1名)と立ち上げ、今年で活動6年目になる。
メンバーは現在21名。毎月精力的に活動している。
男性の参加者が多い大足たんぽぽクラブ。
自宅にいる男性を地域に引き出すにはどうしたらいいか?
考えた末に始めたのはグラウンドゴルフだった。現在ではメンバーの3分の1は男性だ。
その日のスコアや年間スコアをパソコンで集計し、一覧表にして配布している。成績の良い人には表彰も行うという。その丁寧な仕事ぶりが参加者が増える要因かもしれない。
コロナ禍で集まれないときも、知識やアイデアを駆使し、脳トレになるような塗り絵やスクラッチなどをクラブのメンバーに届け、活動を止めなかった。
そうやって続けてきた活動の作品を妻里市民センターで展示すると、それを観た人から「参加してみたい」という声が集まるそうだ。
先日、ちいきの学校が行う新たな事業『ちいファン』(地域を元気にするための活動に対して活動資金応援)より、ボッチャと輪投げの寄贈をした。
寄贈品は夏場・冬場の野外活動の不安から室内でも楽しめるものをと考えられた。この日は使用初日、
レクリエーションはとても盛り上がり、会場からは賑やかな声が漏れ聞こえていた。
吉沢さんは「長くこの地に住んでいるが、仕事勤めをしているときは周りとの繋がりがなかった。」と語る。山田さんとこの活動を始めて、今では知り合いや友人も増えてきたという。
「自分自身、一人で家に籠っているのはよくないなと。社会や地域との触れ合いが大切だとつくづく感じますね。」(吉沢さん)
「すごい活動ですね。」と声をかけると、二人は「当たり前のことを続けているんです。まずは自分たちが楽しんでいる。」と語る。
「それぞれ大病を患っている人もいるけれど、サロンに参加するようになって歩き方がよくなった人もいるんです。最近は健康にも効果があるなと感じています。」と笑顔で教えてくれた。
自分たちが楽しみ、それを参加者も楽しんでくれること、さらに介護予防につながることが原動力になっているという。
地域への熱い思いを聞き、きっとこのお二人だからこそ人が集まり活動の輪が拡がるのだろうと感じた。
大足たんぽぽクラブ
<対象> 大足地区に住んでいる方
<活動日>サロン :第二月曜日 10:00~12:00
グラウンドゴルフ:毎週火曜・金曜 (夏季)9:30~11:30(冬季)13:00~15:00
ききて/撮影:細川夏津稀
取材協力 :水戸市内原高齢者支援センター